日本というよりも世界で評価の高いフリーソロにこだわるクライマー山野井さんのエッセイ。ちなみに先日、nhkドラマの氷壁の監修をしていたそうな。ロハスとやらのいんちきくさい話題がブームになってるので山野井さんのような生き方をしているクライマーへの関心は今年高まると思う。世間は今年山野井さんの存在を認知する年になる気がする。
ところで、沢木耕太郎も彼をテーマにした本を発表しています。秀作ですが彼の心境にまでは踏み込めてません。たぶん戦場にいる人は別として世界でもっとも日常的に死の傍で生きている人です。そんな人の心境に迫れというのが難しいのかもしれません。
どんなに優秀なドキュメンタリ作家も本人の肉声の前には勝てない…そんなことだろうか?となるとこれまで僕が感動してきたスポーツノンフィクションも作家ではなく当人が書いたりするともっと面白いものを書けたのかもしれないなあ。まあたいてい自意識が邪魔してかけない気がするが・・・。読めるものならば長嶋さんとかの自分で書いた自伝とか読んでみたいなあ。
さて文体はこれまでの印象に残るクライミングを7本まとめて文章にしているのですが、文章も変な気取りや自意識がなくていいです。自分がやったすごいことを自分で書くというのはすごく自意識が邪魔していやみならないように仕上げるのは大変だと思うのだけど、彼はほんとにいい!。力が抜けていて。そして7つのクライミングレポートの合間のちょっとした雑感コラムがすばらしい。
山野井 泰史 / 山と溪谷社(2004/03)
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熱い思い出読みました
アルパインクライマーは必読
感動で、背筋が凍った!!!
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